高室 冴綺(たかむろ さき) 選手
- 所属
- 株式会社スタートライン
- 競技
- 車いすテニス
- 障がい
- 先天性疾患による両下肢機能障害(1級)
『5年前、自分の部屋に引きこもっていた自分が、今は単身で海外遠征。応援されるアスリートになって人生が変わりました。』
1995年1月2日 東京都中央区生まれ。
先天性疾患による両下肢機能障がいのため、高校2年生から徐々に症状が悪化。しばらく杖を使って歩いていたが、次第に車椅子での生活となる。家に引きこもりがちになっていた2013年、18歳のときに母親の勧めで行ったイベントで車いすテニスに出会う。競技者として自らの可能性に目覚め、練習をスタート。
2017年からは本格的に国際大会への出場を開始。着実に世界ランキングを上げながら、2020年東京パラリンピック出場を目指す。
主な実績
- 2017年 ノーズウエストチャレンジ ベスト8
- 2017年 コリアオープン シングルス ベスト8
- 2017年 Daegu Open シングルス ベスト8
- 2017年 ダンロップ神戸オープン ダブルス準優勝
インタビュー

先天性の疾患をかかえていましたが、スポーツは得意だったので、高校2年生頃までは男子に交じってサッカーやバスケットボールを楽しんでいました。障がいのために歩けなくなり、車いすの生活になってからは外出する気も失せてしまいました。そんな私を心配した母が、車いすでも参加できる情報をいろいろ調べてくれて、そのうちの一つに、車いすテニスとの出会いがあったんです。
当時18歳だった私は、自分と同じ年齢の女の子(上地結衣選手)が車いすテニスの世界ランキング1位だと知って、衝撃を受けました。自分もいつか上地結衣選手を追いかける選手になりたい! と思ったのをよく覚えています。
車いすテニスの練習を1年ぐらいして、大会に出場し始めた頃はバリバリのニートでした(笑)。家族の負担を減らすためにアルバイトもしましたが、大会に出場する費用を賄うことはできなくて。大先輩のアスリートの方に、この先どうしたらいいかを相談したところ、エランシアを紹介してもらえたんです。アスリートとして採用される話に魅力を感じましたが、同時に「わたしでもいいの?」という思いもありました。でも不安をよそに、2015年、20歳の時にご紹介をいただいて、(株)スタートラインに就職することができました。
競技・仕事の両立型アスリート採用で、出社は週に1回。企画書の作成や、障がい者スポーツについての情報収集といった業務を担当。
その他、競技力を高めるために必要なトレーニング、大会出場、海外遠征など、1年間にかかる費用を算出して、年間競技計画、目標を自分で策定します。その内容を上司にプレゼンして情報共有しています。
会社のバックアップを受けるなかで、応援されるアスリートになりたいという思いは、年々強くなってきました。神戸の大会に出場した時は、手作りの横断幕を作った会社の方が10人ぐらい応援に駆けつけてくれました。決勝戦ではすごく力をもらいましたし、社内でも私の大会結果などが共有されていて、いろいろな方から声をかけてもらえる環境です。
今の目標は、世界ランキングトップ10以内の選手に勝てるようになること!2020年東京パラリンピック出場は通過点という位置付けで、私の最終目標は世界ランキング1位になって、2024年パリパラリンピックで金メダルを獲ること!!「高室冴綺って、うちの会社の選手なんだよ」って自慢してもらえる選手になりたいです(笑)。